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浮世絵通信 by 秋華洞 4号

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こんにちは。浮世絵担当の山田です。
お待たせしました。なんと、今年初の浮世絵メルマガになってしまいました。
遅ればせながら、今年もよろしくお願いします。

今月のラインナップ
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特集:双六
新入荷作品:広重、国芳等
この展覧会に行ってみたい!:神奈川県箱根町「岡田美術館」
今月の役者絵:豊国Ⅲ 「花菖蒲男鑑」
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今年初の特集は「双六」の浮世絵。
オイ、正月はとっくに終わったよ。と突っ込まれそうですが、
この双六、なかなか奥が深いのでぜひご覧ください!

日本で最初の絵双六は、天台宗の新米の僧に仏法の名目を学ばせるために考案されたものが始まりという説があります。
その後江戸時代に浮世絵画法が発達し、様々な双六が作られました。
江戸時代特に人気を博したのが、空前の旅行ブームを背景に「道中双六」や「名所双六」
道中双六でも、数が多いのが「東海道五十三次双六」。振り出しは日本橋で上がりは京都御所が通例です。
明治政府の成立とともに、振り出しが京、大阪。上がりが二重橋になったそうです。
東海道の旅は十一泊十二日が通常の旅で、双六上では泊りの場所が一回休み。
箱根の関所に止まると、通行手形を忘れた廉で「振り出し」に戻るよう仕組まれた双六もあったとか。

こちらは広重の「参宮上京 道中一覧双六」
旅行に行けない人はこうした浮世絵で思いをはせたのでしょう。
中央の霊峰富士も神々しい。パワーを感じます!

そして江戸文化の柱の一つが歌舞伎。
三代豊国「七伊呂波清書雙六」
「助六」「児雷也」「忠臣蔵」「伽蘿先代萩」など人気演目がずらり。

こちらは、時代が新しくなって「教育双六」のジャンルです。
「教育女礼式寿語六」
遊びながら女性のたしなみやマナーが学べます。

ほんの一部のジャンルを紹介しましたが、広告双六、のりもの双六、戦争双六、文明開化双六など、
様々なものが双六になっています。
双六イコール「こどものおもちゃ」と思われ、芸術的価値を低く見られることも多い双六ですが、
あらためて見てみるとそこにその時代を反映する貴重な風俗が描かれていたり、
双六という特殊なコマ割りのなかでの絵師の表現力の高さに感心したりと、興味は尽きません。
■ 新入荷作品 ■
北斎 諸国名橋奇覧 足利行道山 くものかけはし
広重 「東都名所之内 隅田川八景 今戸夕照」
貞秀 「三国第一山之図」
貞秀 「真柴久吉公播州姫路城郭築之図」
芳年 「舎那王於鞍馬山学武術之図」

このほかにも多数ございます。
サイトはほぼ毎日更新していますので、お探しの品がある場合は遠慮なくご連絡下さい。

■この展覧会に行ってみたい!■
神奈川県箱根町「岡田美術館」
最近の浮世絵界のビッグニュースと言ったら、これでしょう!
歌麿の幻の肉筆画発見!「品川の月」「吉原の花」と共に、歌麿が三部作として描いた「雪月花」のひとつ、
「深川の雪」が48年ぶりに発見され、44日から岡田美術館で公開されるそうです。この「深川の雪」、縦2メートル、横3メートル50センチほどの特大の掛け軸!
ちょっと想像がつかないくらいの大きさです。

■ 今月の役者絵 ■
秋華洞は歌舞伎座から一番近い浮世絵商。役者絵の在庫の中からおすすめの役者絵をピックアップしてご紹介します。

豊国Ⅲ / 国貞 「花菖蒲男鑑」

人気演目「夏祭浪花鑑」を描いた作品。主人公の団七は十八代中村勘三郎さんの当たり役。最近では海老蔵さん、片岡愛之助さんも演じています。
この浮世絵は団七の義父殺しのシーンなのですが、劇中でも最大の見せ場。
このシーンは泥場とも呼ばれ、泥の中での殺人が祭囃子をが流れる中、錦絵のように展開するのです。
凄惨なシーンなのに美しい、まさに歌舞伎の様式美の世界なのです。

編集後記
4号の秋華洞浮世絵メルマガはいかがだったでしょうか。ことしは話題の浮世絵の展覧会が目白押し。

大浮世絵展にもお客さんが殺到し、ちょっとしたブームになっています。
確実に浮世絵ファンのすそ野がひろがっているのではないでしょうか?
浮世絵メルマガでも毎回違った角度から浮世絵の楽しさをお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに!

秋華洞 浮世絵担当 山田亜紀子
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